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障害年金は働いていても受給できる?実際の受給額がいくらか詳しく解説

障害年金は働いていても受給できる?実際の受給額がいくらか詳しく解説

前回に引き続き、今回も「障害年金」についてお話します。前回は、障害年金の種類や支給対象となる障害などについてのお話をしました。今回は、働いていても障害年金は受給できるのか?実際に受給できる金額はいくらなのか?ということについて、詳しく見ていきたいと思います。

働いていても障害年金は受給できるの?

働いているからといって、障害年金を受け取ることができないという訳ではありません。障害年金は、働いていても受け取ることができます。実際に、障害年金受給者の27.6%が働いています。(平成26年障害年金受給者実態調査より)

ただ、障害や病気の種類によっては、働いていることが審査に影響を及ぼす可能性もあるため、申請の際には注意が必要です。

例えば、眼や聴覚、肢体などの外部障害の場合、視力や聴力などは数値として表され、手や足などはその状態や動作程度などによって判断されます。そのため、障害等級の判断がしやすく、一定の障害基準を満たしていれば、働いていることが障害年金の審査に影響することはほとんどありません。

しかし、精神障害、がんなどの病気では、働けていることで重度の症状ではないと判断されてしまうケースが多々あります。例えば障害等級3級と判断された場合、初診日(初めて障害の診療を受けた日)に加入していた保険が厚生年金であれば、障害厚生年金3級を受給することができます。しかし、初診日に加入していた保険が国民年金であると、障害基礎年金は2級までしか支給されないため、3級ではいっさい受給できなくなってしまいます。初診日に国民年金のみに加入している場合で、精神障害、がんなどの障害や病気で申請をする際には、注意が必要です。

ただし、精神障害、がんなどの障害や病気だからといって、2級以上の判定を受けられないという訳ではありません。実際に、精神障害、がんなどの障害や病気でも、働きながら2級以上と判定されているケースもあります。仕事への大幅な制限がある、日常生活に著しい支障をきたしている、などの場合は2級と判定されることもあるため、申請時にその内容を具体的に記載することが大切です。

障害年金はいくらもらえるの?

障害年金の支給額は、年度ごとに変わります。平成31年度の金額は前年度よりも0.1%上昇しました。なお、障害年金は非課税のため、所得税や住民税を控除されることはありません。

障害基礎年金

平成31年度の障害基礎年金の支給額は以下の通りです。

障害等級金額
1級97万4,125円 (8万1,177円/月)+「子の加算」
2級77万9,300円 (6万4,941円/月)+「子の加算」

「子の加算」とは、「18歳になる年度の末日(3月31日)を経過していない子」または、「20歳未満で障害等級1級または2級の子」のいずれかに該当する子供がいるときに付く加算のことです。「子の加算」の加算額は下記の通りです。

子の数金額
1人目、2人目1人につき 22万4,300円 (1万8,691円/月)
3人目以降1人につき 7万4,800円  (6,233円/月)

障害厚生年金

平成31年度の障害厚生年金の支給額は以下の通りです。

障害等級金額
1級「報酬比例の年金」×1.25 +「配偶者加給年金」 + 障害基礎年金1級
2級「報酬比例の年金」    +「配偶者加給年金」 + 障害基礎年金2級
3級「報酬比例の年金」 ※最低保証58万4,500円 (4万8,708円/月)
障害手当金「報酬比例の年金」の2年分 ※最低保証116万9,000円 ※一時金

「報酬比例の年金」は、人によって金額が異なります。その人のこれまでの給与額や厚生年金加入期間などに応じて支給額が決まります。一般的には、給与額が高く、就労期間が長いほど支給額は増加します。

 「配偶者加給年金」とは、本人と配偶者が一定の条件をすべて満たす場合に付く加算のことです。一定の条件とは、「本人が障害厚生年金1級または2級受給権者」「配偶者と生計同一関係にある」「配偶者の年収が850万円未満」「配偶者が障害年金、老齢年金、退職年金等を受給していない」「配偶者が65歳未満」という条件をすべて満たした場合です。「配偶者加給年金」の加算額は下記の通りです。

障害等級金額
1級・2級22万4,300円 (18,691円)
3級・障害手当金 なしなし

まとめ

障害年金は、働きながらでも受け取ることができる年金です。また、最低でも年間58万4,500円を受け取ることができます。(平成31年、障害厚生年金3級の場合)

障害年金の制度内容や、受給対象となる障害や病気については、こちらをご覧ください。

障害者の主な収入源とは?障害年金の受給対象となる障害や病気は?